上野牧場のスマート・テロワール
牧場の正式名称は、「新利根協同農学塾農場」
その3代目当主上野裕(ゆたか)さんのお話です。
月間『農業経営者』2015年2月号に上野裕さんのことが
紹介されました。題名は、
「孫として受け継ぐ誇りと夢と葛藤、上野満という希有の農業指導者の子」
その巻頭言をご紹介致します。
『農民は貧しく︑日本人が飢えに怯えていた時代に上野満という農村リーダーがいた。満は、満州開拓団の団長を経て徴兵、敗戦を迎え、その後シベリアに抑留される。終戦2年後の1947年に帰国すると故郷の福岡には戻らず、現在の茨城県稲敷市市崎に戸の農家による協同農場、新平須協同農場を組織する。満州開拓団時代の満を尊敬し、その協同農業の理論に心酔する若者たちが集まっての協同農場の発足だった。年代後半に協同農場は崩壊したが、満の人間としての理想と誇りは長男の達(いたる75才)、孫の裕(ゆたか46才)に受け継がれている。』
(文/編集長:昆吉則)
「経営悪化の中で、最後の砦として取り組んだのが、
2005年に決断した放牧だった。
放牧の時、牛達が牧草地に出ていくところを見た時、
『何の根拠もないのですが、俺はこれで生き残れる』と思いました」
「放牧を始めてみると、乳量は半減しました。でも牛は元気になり、
子牛も自然分娩で産まれるようになり、経営内容も改善されました」
2021年1月16日、「東信STオンライン研究会」で講演して頂きました。
録画してYou Tubeに公開しました。ぜひ、ご覧ください。
上野牧場のスマート・テロワール
上記のYou Tubeにない内容を下に補足します
・ 採草地込み面積13ha、放牧面積6haに、家族3名で、搾乳頭数32頭、
育成牛10頭を飼う。
・ 1日中放牧であれば、1頭2アール必要。半日であれば1アールでOK。
・ 茨城の水郷地帯では、夏は暑いので夜間しか放牧できない。
・ 32頭前後の牛を、50aの農地に半日ずつ入れ、毎日牧区を変えながら、
10牧区を10日で1周するように使っている。牧区を狭く区切るのは、
その方が草をキレイに喰ってくれる。(全体で約6ヘクタール)
但し、周回間隔も牧区の広さも、いろんなバリエーションが考えられる。
・ 若草ほど高蛋白になる。
・ 標高700〜800mであれば、昼夜放牧も可能と思う。
寒冷地牧草があるので、輪換間隔(牧区の移動日数)は変わらないのでは。
・ 参考図書
『草の牛乳』 野原由香利著 農文協
『牛の未来』 野原由香利著 講談社
『マイペース酪農』 三友盛行著 農文協
・ 『全国放牧畜産ネットワーク協議会』(2019年2月設立)という団体がある。
アドバイスをいただくことができる。
http://souchi.lin.gr.jp/houboku/data/application.pdf
ここで、声を大にして言いたいことは、次のことです。
上野牧場や小布施牧場にならえば、
日本の畜産は復活できる!
(同じ考えの事例)小布施牧場のスマート・テロワール
http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2021/01/blog-post_31.html
『農業経営者』の記事は、下記URLから全文を読むことができます。
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