2021年1月31日日曜日

小布施牧場のスマート・テロワール

木下荒野さんの「スマート・テロワール」

小布施牧場


小布施牧場創業3年の実績から見えてきたこと

🔹  乳牛10頭(内7頭搾乳)で、家族と従業員を養える。
🔹  3年目で黒字の見通し。
🔹  観光客を当てにしなくても、地域内の消費で経営が成り立つ。
   (コロナの影響無し。地産地消の強み)
🔹  ニュージーランド式放牧で、購買飼料を減らして、
             良質な乳製品と肉を生産できる。
🔹  20ヘクタールの遊休・荒廃農地と里山が牧草地と
             飼料生産農地に変わる。
🔹  荒廃農地、里山が整備され、美しい景観ができる。
🔹  結果として、食料自給率が上がり、地域内経済・資源の循環構造ができ、
    環境と景観が向上する。(「スマート・テロワール」の目的)


小布施牧場の理念

楽農経営による美しい里山を増やします

〜 美しく、たくましく、優しく、美味しく、楽しく 〜


木下荒野のプロフィール

     1989年、  小布施生まれ、
      ‘11年、   楽農学園大学楽農学部卒業
      ‘11〜’14年、永井農場勤務
      ‘14〜’15年、ニュージーランドのNorthash社にて1年間、
        放牧型酪農を経験。その後1ヶ月間、妻の葵とイタリア、スイス
        の牧場をめぐり、食文化、生活文化に触れながら遊学。
        人工受精士取得。
      ‘17年、        小布施牧場創業   
      ‘18年、       8頭のジャージー牛導入(’20年9月現在10頭)
      ‘18年4月、   ジェラード店オープン
      ‘20年1月、   チーズ工房完成
      ‘21年、        黒毛和牛繁殖牛舎建築予定


ビジョン

小布施牧場の成功をモデルにして、全国とアジアの荒れた里山を、
美しい味わいの里に再生させます。


牧畜の将来のイメージ

ペーターたちが全国、アジアの里山で活躍して、立派に家族を養える、緑の地球。
(ペーター:ハイジの物語に出てくる牧童の名前。聖ペテロのこと。伝道師ともとれる)

創業の経緯と取り組み

小布施牧場を創業したのは、この町で生まれ育った、わたしと兄の真風、
そして2人の夫人です。遊休農地を耕して栽培した牧草やトウモロコシ、ダイズ、地元の水田でとれた稲わらなどを牛のエサにして、飼料の小布施産100%を目指しています。地元で採取された善玉菌(乳酸菌・酵母菌・納豆菌など)を牛に食べさせたり、飲ませたり、堆肥に混ぜたりすることで、「臭いがない」ことを越えて「いい香りのする」牛舎を目標にしています。  
東京ドームと同じ広さの雑木林「小布施千年の森」には、小布施牧場が営む工房&カフェmilgreenがあり、地元の旬の果物や野菜などを生かした出来たてのジェラートをお楽しみいただけます。森の下草をはむ子牛たちを眺めたり、森を散策したり…。


添付:ニュージーランド式放牧(グラスファーミング)(農業経営者』2017年11月より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2020/09/blog-post_17.html

   (グラスファーミングの要点:若い草のエネルギー量はトウモロコシに匹敵するので、濃厚飼料の給与量を減らすことができること。結果として、短時間労働かつ低コストで済むので生産性が上がり豊かな畜産ができること。)

小布施牧場 ホームページ
https://obusedairyfarm.co.jp/

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「やさいバス」 勉強会を開催します。

「やさいバス」 勉強会を開催します。 


朝どりの新鮮な野菜がその日の内に、皆さんの「バス停」に届きます。


東信地域の生産者と、直売所・スーパー・レストラン・住民をつなぎます。 夢のようなことを可能にするのが、共同配送の仕組みです。 裏面の、説明図(松本の例)をご覧ください。 ごあんない 



ごあんない

「地元の新鮮で美味しい野菜が地元で食べられない」これは古くて新しい私た ちの課題でした。この難しい課題を解決する仕組みです。 この仕組みは 2017 年 3 月からに静岡県で運営されております。2019 年 3 月か ら県の元気づくり支援金を活用して、松本地域で実証実験が行われており、実用 化される予定です。この仕組みを、東信地域(4市6町5村、人口約 40 万人の上 田・佐久広域圏)に導入しようと考え、先ずは勉強会を開催いたします。 勉強会に続いて、「東信地産地消研究協議会」(仮称)を立ち上げ、この仕組 み導入の是非を計って参ります。 日頃、野菜や食料品の生産・加工・流通・サービスに携わっておられる皆様に ご案内申し上げております。当日の講師はこのシステムを開発した(株)エムスクエ ア・ラボ(静岡県本社)の専務取締役長谷川晃央さんです。 万障お繰り合わせの上ご参加をお願い申し上げます。


仮事務局 認定 NPO 法人信州まちづくり研究会 

北佐久郡立科町芦田 2076-1  代表理事 安江高亮 



日時:2021年2月15日(月) PM2時~4時 

場所:立科町中央公民館 視聴覚室 定員:20名 

(お断り)新型コロナウィルス感染対策の ため、飲食無し、蜜を避け、マスク着用、 検温、消毒の対策をいたします。 

(お問合せ)下記までどうぞ。 認定 NPO 法人信州まちづくり研究会

  090-3148-0217 contact@smk2001.com 






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2021年1月28日木曜日

米の余剰、トウモロコシの欠乏、どういうこと?

米の余剰、トウモロコシの欠乏、どういうこと?

農業技術通信社 昆吉則 2021年1月

 わが国では毎年10万トンずつコメの消費が減っています。それに加えて新型コロナ禍でインバウンド需要がなったことで大幅に減少し、農水省は2019年7月から20年6月までの主食用米の需要実績を714万トンだったと報告しており、やがて700万トンを切るレベルになるでしょう。それにもかかわらずお米の生産過剰が続き、農業界ではコメ市況の低下を危惧して農水省もコメを主食用から飼料用に仕向ける転作に対して10a当たり最大10万5千円もの交付金を支給して主食用米あるいは水稲生産そのものを減らそうとしてきました。にもかかわらずコメの供給過剰は収まりません。

 一方、2019年の日本のトウモロコシ輸入は約1,600万トン。我が国は世界最大のトウモロコシ輸入国であり、穀物としてのトウモロコシをほとんど生産していない世界でもまれな国です。輸入されたトウモロコシの7割程度は飼料として使われ、そのほか食品やコーンスターチの形でアルコール原料など様々な用途に使われています。我が国の食料自給率が低い理由はこのトウモロコシ輸入が理由です。農水省は苦肉の策として法外な交付金を付けてコメを飼料にするという飼料米政策を続けてきていますが、コメを飼料にする国は日本以外にはありません。なお、業界関係者によれば輸入されるトウモロコシの内約150万トンはNON-GMトウモロコシだと言われています。

 こうした我が国の水田農業と飼料・畜産環境の中で、岩手県花巻市で3人の農家が水田転作としてNon−GMの子実トウモロコシ(穀物としてのトウモロコシ)を生産し、それを同じ花巻市内の養豚家が利用し、白金豚のブランドで精肉として市内の旅館やレストランに供給するだけでなく、自らレストランを経営しています。またその肉は全国の高級レストランだけでなく輸出までされています。もちろん糞尿は水田に還元されます。

 昨年度の我が国での子実トウモロコシ生産は僅か500ha程度です。花巻の農家グループでも10数haに過ぎません。それでも花巻市での実践は松尾雅彦さんが提唱したスマート・テロワールの地消地産のサイクルそのものです。

(第2回スマート・テロワール協会オンライン講演会のために書かれた文章)
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2021年1月3日日曜日

水田の畑地転換で、3000億円超の交付金(補助金)をゼロにできるかも!

農林水産省のデータから、すごい発見をしました!
今まで、何で、こんなことに気がつかなかったのか?
私の勘違いだったら困ります。
皆さん、チェックをお願い申し上げます。

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🔹 農水省の平成28年産小麦データ(下図)がそれを証明しています。説明しましょう。

政府統計の総合窓口e-Stat から「平成28年産小麦の生産費」データを見つけ出し、整理し、グラフにしました。グラフを見ながら説明をお読みください。

下図を作ってしまってから、平成29年産のデータがあることが分かり、挑戦してみましたが、データの欠落がありダメでしたので、ここでは28年産のデータで説明いたします。気がかりなのは、28年と29年の数値を比べてみたら、違いすぎるのです。どちらが正しいのか分かりませんが、間違いなく言えることは趨勢は変わらないことです。この際、細かいことは無視して、傾向と方向性を読み取ってください。

主な視点は、水田に作った場合と畑に作った場合、そして規模の大きさが生産費に大きく影響することです。そのことが国民が負担している農家への交付金(補助金)に大きな影響をもたらします。


左側のグラフは、現在農水省が推進している「田畑輪換」(水田に小麦、大豆などを作ること)の場合。
右のグラフは、畑に小麦を作った場合。
縦の目盛は、小麦60kg当りの諸費用の金額。一番上にある生産費は、金利や自己保有資産の経費まで含む総合計。
横目盛は、耕地の規模。一番左が「0.5ha未満」で、本州のほとんどの農家はこれに該当すると思われる。少なくとも、当NPOの地域ではそうです。最高面積が15ha以上ですが、世界の基準から見ると零細です。(アメリカの小規模は40haほどだそうです)
(ha=ヘクタール=100m四角の広さ、a=アール=10m四角の広さ)

このグラフから読み取れること
・「0.5ha未満」の数値で田作と畑作を比べると、畑作の方が13%安い。
・「5.0〜7.0」で比べると、30%畑作の方が安い。
規模の違いから生産費を見ると:
・田作の場合、「0.5ha未満」と「5.0〜7.0」を比べると、約半値になる。
・畑作の場合、「0.5ha未満」と「5.0〜7.0」を比べると、約3分の1になる。
(解説:「5.0〜7.0」の規模まで生産費が下がり続け、それより規模が大きくなると、一旦生産費が上がる理由は、その規模で、耕作機械を大型化しなければならなくなるからです。15ha以上のデータがないので推測ですが、50ha、100haの規模になれば「5.0〜7.0」より遥かに安くなると思います。今、50ha、100haのデータを農水省に求めています。)

現状の水田による転作と、畑地転換後の規模拡大した場合の生産費比較をします。
比較の前提条件;
1.現状の水田転作による小麦生産の規模は、1農家当り、平均耕地面積は都府県平均で約2haであるが、全部麦作とは考えにくいので「0.5〜1ha」と仮定する。その生産費は、グラフの「1:18,463円」。
2.近い将来、スマート・テロワールの考え方で、ゾーニングによる水田の集約と畑地転換整備を行い、1農家当り、「5.0〜7.0ha」規模の作付けができると仮定する。その生産費は、グラフの「2:6,569円」。

生産費の低減額は、下記の計算により、1kg当り198円となります。
(18,463 – 6,569) / 60kg = 198円 / kg

現在、どのくらい交付金(補助金)が出ているか?
農水省の交付金は転作奨励と価格補填の2種類あり、合わせると、地元JAの実例から10a当り約67,000円です。10a当り収量(反収)を全国平均の300kgとすると、
1kg当り交付金額は、67,000円 / 300kg = 223円/kg となります。

もし、スマート・テロワールの考え方に転換できたとすると、
交付金は、223 – 198 = 25円 で済むことになります。
この数字は、25円 / 223円 ✖️100=11%ですから、89%の交付金を減額できることを意味します。
2020年度の交付金予算は3000億円超ということですから、3000億円としても、3000✖️0.89=2,670億円 削減できることになります。非常に大きいです。
3000億円は小麦だけに使われている訳ではありませんが、大豆やそば、トウモロコシも同じ傾向にあると想定されます。



更にすごいことが可能になります。
の図は、国際連合食糧農業機関(F A O)のデータに基づいてFood Whach Japan(下にURL) が作成したものです。詳細に見たい方は拡大してください。
(1961年~2011年の間で10年間ごとに世界各国の作物ごとの単収(Yield)を呼び出し、2011年時点の上位10カ国+日本のデータをグラフ化。単位はkg/10a)

色の薄い方が昔のデータです。これはのデータです。日本の最近を読むと、330kgほどに読めます。実際とほぼ合っています。しかし、世界と比べると半分です。実は、の穀物も野菜類もほとんど同じ傾向です。参考にトマトのデータを添付します。なぜ、こんなことになっているのか、疑問を持ってください。この事実は、畑の整備と農法改革を行えば収量が増え大幅に生産費が下がることを意味しています。農水省の交付金をゼロにできる可能性もあり、末端価格(消費者価格)も下げられるはずです。
(https://www.foodwatch.jp/primary_inds/whatisgood/31918/)

畑地転換工事費全額国負担でも、交付金の減額で、数年で元が取れる!

基本的に、昭和の圃場整備事業が済んでいるので、一番お金のかかる道路と水路と測量と登記は整備済みですから、それは手を付ける必要がありません。農道と水路で囲まれた水田の区域を1枚の畑にします。見当ですが、小さくても1枚1haほどに、大きいとことは2〜3haほどになるでしょう。
畦畔がなくなり、耕土が均質化するので品質が向上し、面積当りの収量が増えます。大型機械が使え、作業スピードも上がるので作業効率が大幅に改善されます。
工事費がかかるのは、耕土を剥がして、土手を崩して整地し、耕土を復す重機械による土工事だけですから昭和の構造改善事業に比べると数分の1でできるでしょう。

仮にの話ですが、10a当り工事費が20万円かかるとします。
すると、その工事費を収量300kgで割ると、200,000/300=667円/kg となります。
収量1kg当り667円かかることになります。
しかし、工事が終われば198円生産費が下がる、つまり交付金を減らせる訳ですから、667円/198円=3.4年で、国は工事費を取り戻せることになります。もし、工事費がそれ以上かかっても、その分回収期間が伸びるだけです。多少の計算違いがあったとしても10年とはかからないでしょう。そしてこのコストダウンは永久に続きます。

実際には、土手(畦畔)がなくなり、その分面積が増え、耕地が均質化するために品質が向上し収量が増えることは間違いありませんから、工事費の回収はもっと早まるでしょう。この畑地転換工事はお金を捨てる投資ではなく、回収できる投資であり、しかも未来永劫交付金(補助金=国民の税金)を減らせ続けられるのです。

2019年度の日本の小麦の食料用総需要は579万トン。(飼料用は調査中)
平成29年の小麦の自給率は14%。正確に計算してありませんが、スマート・テロワールの計画により、松尾さんの目標である50%にするために、現状のままで36%自給率を上げようとすると、年当り、
579万t ✖️ 36% ✖️ 1000kg ✖️ 223円/kg = 4,648億円/年 の交付金が毎年必要になります。
スマート・テロワールの計画を実行すれば、4648✖️11%=51億円で交付金は間に合います。減額できた分は福祉の充実に使えます。単位収量が増えれば(増えることは間違いありません)ゼロにできる可能性が大です。

更に、日本の水田面積は240万haです。その40%以上=100万ha以上が余っています。
現在は、水田のまま、非効率極まりない田畑輪換を強いているので、1kg当り200円以上もの交付金を必要とし、3000億円もの国民の税金を投入しています。

この100haを、畑地に造り替えて麦と大豆を半分づつ作付したとします。
麦の収量は、50万ha✖️3t=150万トン。これは、全需要579万トンの26%に当たりますが、10a当り収量を国際標準である600kg/10a にあげれば、52%になり、松尾さんの目標が達成できるのです。

数字にお強い皆さん、私の計算のチェックをお願いいたします。
もし間違いがありましたら、ご指摘ください。

  この数字から判ることは明白です!
     やらない理由が見つかるでしょうか?
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2021年1月2日土曜日

角田牧場と焼肉 蓼科牛「いっとう」


 2020年元日の週刊さくだいらに、当NPO会員角田大徳さん(焼肉 蓼科牛「いっとう」創業者)の親父さんが経営する角田牧場の記事が掲載されました。

「Terroir テロワール」の産業として、親子のコラボレーションがすばらしい!
蓼科牛「いっとう」の開店当初の記事に角田大徳さんの写真があります。
皆さん、立科町にお出かけの時は、ぜひお立ち寄りください。

 
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2021年1月1日金曜日

皆さんと自然栽培という世界観を共有したい

ナチュラル・ハーモニー代表取締役 河名秀郎さんの新年のご挨拶です。
私は、自然栽培を実践できませんでしたが、
「スマート・テロワール」の中に取り込むことは難しいと思いながらも
スマート・テロワールの一部に必要だと思っています。
転載させて頂きました。

安江高亮
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2021年 新年のご挨拶
2021.01.1
 


新年 あけましておめでとうございます。
昨年は、ナチュラル・ハーモニーが推し進めてきた自然栽培農産物や加工食品および天然菌による発酵食品をはじめ、自然と調和したライフスタイル「ハーモニックライフスタイル」をご支持いただき、生産者や作り手を、そしてわたしたちナチュラル・ハーモニーを心身ともに支えていただき、誠にありがとうございました。
皆さまには銀座店の閉店などでご心配をおかけしましたが、皆さまのお力添えでまた新たな年を迎えることができ、そしてナチュラル・ハーモニーのミッションが遂行できますことをあらためて御礼申しあげます。
「ありがとうございます」
 
2020年は世界中で新型コロナウイルスによるパンデミックが発生し、予定していた東京オリンピックもまさかの延期に加え、ロックダウンや緊急事態宣言などなど、経済もそして人の動きも制約され、まさに誰もが想像もできない事態に覆われた一年だったと思います。
私はナチュラル・ハーモニーを創業して以来、自然栽培という栽培法から薬剤なくとも元気に育つ農産物の姿を通じ、私たち人間も同じ地球に生きる生命体として彼らのように薬剤に頼らずに元気に生きていける筈だとその可能性を追求し、チャレンジしてきました。その甲斐あってか私自身、自然栽培から学んだ自然と調和した生き方・暮らし方(ハーモニックライフスタイル)を実践して、薬剤不要の元気な人生45年目に突入します。言い換えれば、細菌やウイルスと共存してきた歴史とも言えるかもしれませんね。
昨年はウィズコロナという言葉もよく耳にしましたが、未だに先が見えないコロナウイルスと今後どう向き合っていけばいいのか!私はそのヒントが自然栽培の世界観にあるように思えてならないのです。
 
生産者さんは自然栽培を実施するにあたり、まずその原理・原則を学ばれます。
農産物が虫やウイルスや細菌に侵される原因が「たまたま」ではなく、田畑の不調和にその原因があった事を知り、そしてその不調和を作ってしまった原因が良かれと思って投入してきた肥料だったこと、さらには「不調和の場」を「調和の場」に戻すにために虫やウイルスや細菌が存在していたことに気づくのです。まさにアグリカルチャーショック。
もちろんほとんどの生産者はその声に耳を傾けません。当然ですよね。常識的ではないからです。
しかし一方でその価値観に可能性を直感し、心動かされた数少ない方々が実際に自然栽培に取り組まれているわけです。それって凄い決断ですよね。
そして田畑に向き合い、自然の声に耳を傾けます。そして生産者さんは田畑に残っている肥料分が抜ければ抜けるほど虫やウイルスや細菌の被害が消えていく事を体感し、いつしか虫やウイルスや細菌に対して敵対視していたそれまでのスタンスから、田畑を調和の場に戻すことに全集中。まさに彼らと共存するスタンスにその価値観がシフトしていくのです。
要は「闘いの世界観」から「共存する世界観」へと価値観が変わるということ。
人間の都合で虫やウイルスや細菌に悪のレッテルを貼り、殺虫、殺菌し続けるのが「闘いの世界観」です。そこから、自然界にはそもそも善とか悪などの区分などなく、それぞれにそれぞれの役割がある事を受け入れられるようになります。自然界の恒常性とそのうえで成り立つ生命の仕組みを田畑に反映させ、ついには彼らと「共存する世界観」に意識が変わり、今流で言えば、サスティナブルで永続的な農業に向かっているのです。
 
2021年、今年はどんな年になるのでしょうか。
恐怖と不安と共に生きていくのでしょうか。
コロナウイルスによって世の中は大きく様変わりしようとしています。「自然栽培法は農業分野だけの話ではない!」これは私の口癖ですが、私は今回の出来事を「たまたま」と思ってはならない。そして単なる不幸な出来事として済ませてはいけないことだと思っています。こんな時だからこそ、来たるべき輝かしい未来に向かって、その意味と理由を皆が考え、模索する機会になってほしいなーと思っています。
今年も皆さんと自然栽培という世界観を共有したいと心から願っています。
本当の意味でのウィズコロナという価値観を・・・
ナチュラル・ハーモニーは2021年も自然の摂理に逆らわない、人にとって、地球にとって心地よい商品をみなさまにお届けできるようにスタッフ一同取り組んでまいります。
どうぞ2021年も変わらぬサポートをよろしくお願いいたします。
 
株式会社 ナチュラル・ハーモニー
代表取締役  河名秀郎

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参考資料

株式会社ナチュラル・ハーモニー:公式サイト
https://naturalharmony.co.jp/

wikipedia:河名秀郎
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E5%90%8D%E7%A7%80%E9%83%8E

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