農林水産省のデータから、すごい発見をしました!
今まで、何で、こんなことに気がつかなかったのか?
私の勘違いだったら困ります。
皆さん、チェックをお願い申し上げます。
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🔹 農水省の平成28年産小麦データ(下図)がそれを証明しています。説明しましょう。
政府統計の総合窓口e-Stat から「平成28年産小麦の生産費」データを見つけ出し、整理し、グラフにしました。グラフを見ながら説明をお読みください。
下図を作ってしまってから、平成29年産のデータがあることが分かり、挑戦してみましたが、データの欠落がありダメでしたので、ここでは28年産のデータで説明いたします。気がかりなのは、28年と29年の数値を比べてみたら、違いすぎるのです。どちらが正しいのか分かりませんが、間違いなく言えることは趨勢は変わらないことです。この際、細かいことは無視して、傾向と方向性を読み取ってください。
主な視点は、水田に作った場合と畑に作った場合、そして規模の大きさが生産費に大きく影響することです。そのことが国民が負担している農家への交付金(補助金)に大きな影響をもたらします。
左側のグラフは、現在農水省が推進している「田畑輪換」(水田に小麦、大豆などを作ること)の場合。
右のグラフは、畑に小麦を作った場合。
縦の目盛は、小麦60kg当りの諸費用の金額。一番上にある生産費は、金利や自己保有資産の経費まで含む総合計。
横目盛は、耕地の規模。一番左が「0.5ha未満」で、本州のほとんどの農家はこれに該当すると思われる。少なくとも、当NPOの地域ではそうです。最高面積が15ha以上ですが、世界の基準から見ると零細です。(アメリカの小規模は40haほどだそうです)
(ha=ヘクタール=100m四角の広さ、a=アール=10m四角の広さ)
このグラフから読み取れること
このグラフから読み取れること
・「0.5ha未満」の数値で田作と畑作を比べると、畑作の方が13%安い。
・「5.0〜7.0」で比べると、30%畑作の方が安い。
規模の違いから生産費を見ると:
・田作の場合、「0.5ha未満」と「5.0〜7.0」を比べると、約半値になる。
・畑作の場合、「0.5ha未満」と「5.0〜7.0」を比べると、約3分の1になる。
(解説:「5.0〜7.0」の規模まで生産費が下がり続け、それより規模が大きくなると、一旦生産費が上がる理由は、その規模で、耕作機械を大型化しなければならなくなるからです。15ha以上のデータがないので推測ですが、50ha、100haの規模になれば「5.0〜7.0」より遥かに安くなると思います。今、50ha、100haのデータを農水省に求めています。)
現状の水田による転作と、畑地転換後の規模拡大した場合の生産費比較をします。
比較の前提条件;
1.現状の水田転作による小麦生産の規模は、1農家当り、平均耕地面積は都府県平均で約2haであるが、全部麦作とは考えにくいので「0.5〜1ha」と仮定する。その生産費は、グラフの「1:18,463円」。
2.近い将来、スマート・テロワールの考え方で、ゾーニングによる水田の集約と畑地転換整備を行い、1農家当り、「5.0〜7.0ha」規模の作付けができると仮定する。その生産費は、グラフの「2:6,569円」。
生産費の低減額は、下記の計算により、1kg当り198円となります。
(18,463 – 6,569) / 60kg = 198円 / kg
現在、どのくらい交付金(補助金)が出ているか?
農水省の交付金は転作奨励と価格補填の2種類あり、合わせると、地元JAの実例から10a当り約67,000円です。10a当り収量(反収)を全国平均の300kgとすると、
1kg当り交付金額は、67,000円 / 300kg = 223円/kg となります。
もし、スマート・テロワールの考え方に転換できたとすると、
交付金は、223 – 198 = 25円 で済むことになります。
交付金は、223 – 198 = 25円 で済むことになります。
この数字は、25円 / 223円 ✖️100=11%ですから、89%の交付金を減額できることを意味します。
2020年度の交付金予算は3000億円超ということですから、3000億円としても、3000✖️0.89=2,670億円 削減できることになります。非常に大きいです。
3000億円は小麦だけに使われている訳ではありませんが、大豆やそば、トウモロコシも同じ傾向にあると想定されます。
更にすごいことが可能になります。の図は、国際連合食糧農業機関(F A O)のデータに基づいてFood Whach Japan(下にURL) が作成したものです。詳細に見たい方は拡大してください。
(1961年~2011年の間で10年間ごとに世界各国の作物ごとの単収(Yield)を呼び出し、2011年時点の上位10カ国+日本のデータをグラフ化。単位はkg/10a)
色の薄い方が昔のデータです。これはのデータです。日本の最近を読むと、330kgほどに読めます。実際とほぼ合っています。しかし、世界と比べると半分です。実は、の穀物も野菜類もほとんど同じ傾向です。参考にトマトのデータを添付します。なぜ、こんなことになっているのか、疑問を持ってください。この事実は、畑の整備と農法改革を行えば収量が増え大幅に生産費が下がることを意味しています。農水省の交付金をゼロにできる可能性もあり、末端価格(消費者価格)も下げられるはずです。
(https://www.foodwatch.jp/primary_inds/whatisgood/31918/)
畑地転換工事費全額国負担でも、交付金の減額で、数年で元が取れる!
基本的に、昭和の圃場整備事業が済んでいるので、一番お金のかかる道路と水路と測量と登記は整備済みですから、それは手を付ける必要がありません。農道と水路で囲まれた水田の区域を1枚の畑にします。見当ですが、小さくても1枚1haほどに、大きいとことは2〜3haほどになるでしょう。
畑地転換工事費全額国負担でも、交付金の減額で、数年で元が取れる!
基本的に、昭和の圃場整備事業が済んでいるので、一番お金のかかる道路と水路と測量と登記は整備済みですから、それは手を付ける必要がありません。農道と水路で囲まれた水田の区域を1枚の畑にします。見当ですが、小さくても1枚1haほどに、大きいとことは2〜3haほどになるでしょう。
畦畔がなくなり、耕土が均質化するので品質が向上し、面積当りの収量が増えます。大型機械が使え、作業スピードも上がるので作業効率が大幅に改善されます。
工事費がかかるのは、耕土を剥がして、土手を崩して整地し、耕土を復す重機械による土工事だけですから昭和の構造改善事業に比べると数分の1でできるでしょう。
仮にの話ですが、10a当り工事費が20万円かかるとします。
すると、その工事費を収量300kgで割ると、200,000/300=667円/kg となります。
収量1kg当り667円かかることになります。
しかし、工事が終われば198円生産費が下がる、つまり交付金を減らせる訳ですから、667円/198円=3.4年で、国は工事費を取り戻せることになります。もし、工事費がそれ以上かかっても、その分回収期間が伸びるだけです。多少の計算違いがあったとしても10年とはかからないでしょう。そしてこのコストダウンは永久に続きます。
実際には、土手(畦畔)がなくなり、その分面積が増え、耕地が均質化するために品質が向上し収量が増えることは間違いありませんから、工事費の回収はもっと早まるでしょう。この畑地転換工事はお金を捨てる投資ではなく、回収できる投資であり、しかも未来永劫交付金(補助金=国民の税金)を減らせ続けられるのです。
2019年度の日本の小麦の食料用総需要は579万トン。(飼料用は調査中)
平成29年の小麦の自給率は14%。正確に計算してありませんが、スマート・テロワールの計画により、松尾さんの目標である50%にするために、現状のままで36%自給率を上げようとすると、年当り、
579万t ✖️ 36% ✖️ 1000kg ✖️ 223円/kg = 4,648億円/年 の交付金が毎年必要になります。
スマート・テロワールの計画を実行すれば、4648✖️11%=51億円で交付金は間に合います。減額できた分は福祉の充実に使えます。単位収量が増えれば(増えることは間違いありません)ゼロにできる可能性が大です。
更に、日本の水田面積は240万haです。その40%以上=100万ha以上が余っています。
現在は、水田のまま、非効率極まりない田畑輪換を強いているので、1kg当り200円以上もの交付金を必要とし、3000億円もの国民の税金を投入しています。
この100haを、畑地に造り替えて麦と大豆を半分づつ作付したとします。
現在は、水田のまま、非効率極まりない田畑輪換を強いているので、1kg当り200円以上もの交付金を必要とし、3000億円もの国民の税金を投入しています。
この100haを、畑地に造り替えて麦と大豆を半分づつ作付したとします。
麦の収量は、50万ha✖️3t=150万トン。これは、全需要579万トンの26%に当たりますが、10a当り収量を国際標準である600kg/10a にあげれば、52%になり、松尾さんの目標が達成できるのです。
数字にお強い皆さん、私の計算のチェックをお願いいたします。
もし間違いがありましたら、ご指摘ください。
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