2020年11月20日金曜日

スマート・テロワール とは!

東信スマート・テロワール を実現するために!



 30年後の理想の姿 (荻原廣髙画)


周りを見回して、「このままで良い」と答えた方は皆無でした。

「スマート・テロワール」とは?

スマート=「賢い」「無駄のない」「洗練された」

テロワール= 地域の土壌や気候などの個性を生かした農産物や景観などが育む
      「特徴ある地域」(別処に「テロワール」とは、)

スマート・テロワール= 美しき豊穣の村 (松尾雅彦訳。いろんな訳があります。)


 
うまく日本語に訳せないために、
言葉は難しいですが、
やろうとしていることは、先進国では常識的なことです。

昭和の30年代、私たちの親たちが大変なご苦労をしてやって下さった農業構造改善事業を、今度は私たちがやる番がきました。
それぞれの地域の住民が一体となって進めなければできない事業です。

◉ 目ざす姿

上に掲げた絵「30年後の理想の姿」です。

『手前の平坦地は水田です。傾斜のゆるい中山間地は整備して大きな畑にします。

そこに続く傾斜のきつい中山間地と里山は放牧地にします。所々に農産物の加工場やレストランができて、女性の働き場になります。

「日本で最も美しい村」に登録して観光客を迎えます。

田んぼを潰すのか!と怒こらないでください。納得の理由を説明いたします。』


◉ スマート・テロワールの基本の考え方


一口で表現すれば、地域内循環経済構造の構築。構造改善が必要です。

「安いところから輸入すれば良い」という安易な考え(グローバリズム)を改める。表面的な経済性だけでなく、環境保全、食料とその安全の確保、健康管理、何よりも地域内循環構造(ローカリズム)にすることにより地域に生まれる経済効果(お金)が大きくなり、豊かになれます。このために下記6項目を推進します。

「地域内循環」については、下記ブログを参照してください。


「地域内循環]は、なぜ地域を豊かにするのか?

https://shinshumachidukuri.blogspot.com/2020/11/blog-post_30.html  



 図にすると、次のようになります。下に説明があります。


🔹  耕畜連携の推進

循環型食産業構造を作るためには、畑作(穀物)と畜産の振興と連携が入り口。
(畜糞肉類の90%、その餌となり人間の加工食品となるトウモロコシ、麦、大豆の80〜90%が輸入)


🔹  余剰水田の畑地転換と輪作の導入

穀物栽培は全て大型機械で行われます。日本の穀物が高いことは周知のことです。コストダウンのためには、中山間地の余剰水田や荒廃農地をゾーニング(集約)して大きな畑地に再整備する必要があります。そして、輪作を導入する。輪作は歴史的に証明されている畑作の基本です。病害虫を減らし、増収に役立ちます。


🔹 農工連携の推進

畑作農家と食品加工場の間では契約栽培、畜産農家と畜肉加工場の間では契約肥育とします。これは工場側が主導しなければなりません。契約によって、農家側は経営が安定します。その余力を増収と品質の向上に向けることにより工場側は省きが減少し、品質が向上します。畑作と畜産が増えれば、加工場が増え、女性の雇用が増えます。


🔹 工商連携、地消地産の推進

生産農家、加工場とスーパーや小売店、公共施設(学校、福祉施設など)、消費団体などが連携し消費を支える。地域住民は地元愛で消費を支え、楽しむ。

🔹  食と農のプラットフォームを創る

大学、県・市町村、企業などの食品関連機関や金融も含めて、プラットフォームを形成し、栽培技術開発、品種改良、マネジメント、マーケティング、人材育成など、食産業の諸問題の解決を行う。


🔹 スマート・テロワールの自給率目標

地域内自給率50%、移入(国内移動)20%、輸入30%。日本全国で自給率70%を目ざす。(松尾仮説)(先進国は皆農業国。自給率は80%〜200%)


🔹  美しい景観の実現

上記6項目が達成されれば、美しい景観が実現する筈です。トップページに掲載した油絵はそのイメージを表したものです。その景観の中で、住民と来訪者が美味しい自慢の料理を楽しむ光景を想像しましょう。


◉ ステキなモデルがありました。

北海道の楽農学園大学を卒業し、ニュージーランド、イタリア、スイスに楽農を学び、2017年に小布施町で創業された小布施牧場(代表取締役木下荒野)です。まだ小さいですが、すばらしいモデルです。日本の畜産に革命を起こせます。下記から詳細をどうぞ。

中小の畜産業は復活できる!

◉ 東信スマート・テロワール とは、

松尾雅彦さんは、「美しき豊穣の村」=スマート・テロワールの地域を小文「スマート・テロワールのすすめ」の中で、次のように提案しています。
近隣の地方都市を含めた人 口10万70万人の自給圏
東信地域は、上田と佐久広域行政圏からなり、地形的にも文化的にも歴史的にも繋がりが濃い地域で人口規模も約42万人と、松尾さんの提案にピッタリです。小さ過ぎれば循環が成り立ちませんし、大き過ぎれば物流も人心も交流が疎になります。
東信スマート・テロワールは、この東信地域を「スマート・テロワール」にしようという構想です。下記の図で示します。


◉ なぜ、このようなことをやろうとしているのか?

ご承知のように、日本の食料事情には、困った問題が多いのです。
米と野菜だけは問題ありませんが、米の次に食べている肉とパン・麺類のほとんどが輸入に頼っています。しかも、一方において、農地が有効活用されていません。小布施牧場の実例に見たように、食に関する私たちの固定観念を根本から見直す必要があります。
下記URLをお開きください。驚く現実があります。

日本の困った食の事情
https://shinshumachidukuri.blogspot.com/2020/11/blog-post_85.html

◉ 「地域」とは、川の流れのなかにできた、渦巻や水溜りのようなもの!


「地域をまわって考えたこと」(小熊英二著 東京書籍2019)の中に次のようにあります。

『地域社会とは、「ヒト・モノ・カネ」という川の流れのなかにできた、渦巻や水溜りのようなものだ。「なぜここに渦巻が無くなったのか」「どうしたらここに渦巻が作れるのか」といった問題は、全体の流れの変化を踏まえずに考えることはできない。地域社会とは、そこにいる人々の活動や社会関係の総体のことであって、そこに山や川があることではない。
・・・市区町村は行政や政治の単位であって、地域社会の単位ではない。地域社会と市区町村が一致している地域の方が好循環を作りやすい。逆に、地域としての自信を喪失し、住民が一体感を失っていると、その地域は他の地域の広域経済圏の周辺(一)部に変化していく。
・・・川の流れが変わってしまった以上、復興はありえない。創造しかない。

◉ 地域社会とは「東信スマート・テロワール」のことです。
 上田広域行政圏と佐久広域行政圏に「スマート・テロワール」を実現することが、 上記の文章にある「一致させること」であり、私たちの役割です。この運動を推進していくのが下記の要素を兼ね備えた市民だと思います。
 

自立性

大衆の一部としてではなく、個々人として自主独立の気概を持ちつつ、自律的に活動する。

公共性

自らが市民社会における主権者であることを自覚して、社会的な権利と義務を遂行するとともに、一般意思の実現のために行動する。

能動性

自ら積極的に社会へと働きかけ、状況参加する存在である。



◉ 当NPOの役割は、

東信スマート・テロワール構築のための推進役、産婆役です。
主人公は各地域の住民の皆さんです。

◉ 「スマート・テロワール」に関する情報

このブログの右サイドバーの目次にたくさんの情報が入っています。

下記は、特に「スマート・テロワール」のことを集めてあります。
https://shinshumachidukuri.blogspot.com/2020/07/blog-post_10.html

この中にある1、2、3、は是非お目通しください。


◉ 米作りに関する深刻な情報

「日本農業を壊すのは自由貿易ではない」:『農業と経済』2018年4月号

https://cigs.canon/article/pdf/180308_yamashita.pdf


【平成農政を振り返る】減反廃止はフェイクニュース、令和で真の改革を

http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2019/08/blog-post.html




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