2012年12月2日日曜日

今後の日中関係について(その4)


2012年10月15日配信 

(私の周辺でもささやかれる中国の経済鈍化の足音。経営難に苦しむ鉄鋼商社) 

国慶節の休暇も終わり、早一週間、上海では何事もなかったかのように普段の生活に戻っております。 
 本日はお客様の中国企業の買収交渉でこれから江蘇省に行ってきます。 
 昨日午後、中国人コンサルタントの友人と雑談していて気になる情報を耳にしました。 
 中国の鋼材商社から破産の為のプランニングの相談を受けているそうです。 

 状況は以下の通りです。 
1.不動産市場の低迷などで鋼材の売り行きが落ち込み、中国の鉄鋼商社が経営難に苦しんでいる。

2.数百億円のクラスの売り上げを誇る鉄鋼商社が何社もあるが、売上減と鋼材価格の下落の二重苦に苦しんでいる。 

3.もともとこの業界者景気がよかったので、在庫の鋼材を担保に銀行から多額の借り入れをして以下の各方面に投資していた。 
(1) 不動産投資。 
(2) 同業者に対する資本参加、買収。 
(3) PE投資。 

4.しかしながら、最近の景気悪化ですべてが裏目に出て、銀行も大きく担保割れの状態に陥っている。 

5.中には、一つの鋼材在庫を複数の銀行に重複して担保に出していた例もあり、破産したら銀行も大きな損害を受けるであろうとのこと。 

6.破産手続きとなると、裁判所が介入してくるわけであるが、そこで、不法行為が見つかった場合、会社の経営者も大変な事になるのではないかと質問しましたら、以下の回答がありました。
 「この会社は政府の背景のある会社なので、最終的に経営陣の責任追及はされないのではないか。」(私の個人的な見解としては、権力闘争が絡めばだれかが責任取れされるとは思いますが。) 

7.この会社、財務管理がぐちゃぐちゃなので、彼の仕事は、まずは、財務内容を整理整頓するところから始めるとのこと。 

 本メールを読んでおられる読者には、日本の鉄鋼系商社の方もおられますので、中国企業向けの売掛がある場合は十分注意ください。 
 本件は、局部的な情報ではありますが、今後類似の情報がありましたら、皆さま方からも是非情報提供頂ければ幸いです。 

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