1月13日,ヤマンバの会事務局長の村山隆様から下記の報告書をいただきました。
驚くべきことが報告されていました。
私は民主主義の根幹を冒涜する行為だと感じました。
ここに,ご本人のご了解を頂きましたので転載致します。
下記メルマガにも書かせてもらいました。
http://archive.mag2.com/0000200505/index.html 安江高亮
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共通確認した農薬空中散布「効果写真」の不適切性
私は写真上では確かにそうであろうが、今迄の検討部会の“前科・前歴”を知っていましたので「自分の目で実際に見ないことには信用できない!」と思いました。最終部会傍聴時(2011・11・25)に、千曲市「子ども達の明るい未来を守る会」事務局長の池田靖子さんにお尋ねしたら「山の裏表で樹種が違うので比較はおかしい?」と言うのです。早速、二人で岩井堂山の現地に赴き、苦労して「写真」と同じ場所を探し当てました。そして少し山中に分け入ったら、そこには“本質”が露呈していました。
私の方からは現地調査の到達点を踏まえて、次の様な問題提起『松枯れ農薬空中散布をめぐる伝統的体質~空散の防除効果面からの考察』を行ない、今回の検討部会の効果写真に“前科”があることを解説しました。県検討部会『中間報告』(平成23年3月)に対する私のパブリックコメント(2011・4・10)と、本会(加藤千砂人会長)が「こどもの未来と健康を考える会」(田口操会長)に呼びかけて共同提出した『公開質問状』(2011・6・24)の中で、問題状況=【県が挙げた空散効果資料:「茨城県鉾田市玉田浜」(伐倒駆除を実施した写真)と「長崎県総合農林試験場データ」(伐倒駆除を併用したのに隠蔽した恣意的引用)】=を指摘して、その2資料の撤回を求めました。そうしたら県側は回答不能に陥ったのか、理由を示さずに2資料を削除(第5回検討部会2011・7・8)しました。そして新たに差替えた写真が今回の岩井堂山でしたので、県検討部会は、又しても同質の過ちを繰り返したことになるのです。
では何故、優秀な県職員がこんな過誤を重ねたのでしょうか? それは全国を覆う空散問題の「伝統的体質」が深く関与していますから、県職員だけを責められない非常に根深い構造があるからなのです。その根源は35年前の「松くい虫防除特別措置法」(1977・4・18)に遡ります。制定5ケ月後(第81国会9・12)に根拠データの“捏造・改ざん・隠蔽”が発覚(9例中6例)して農林官僚が処分された事件がありました。しかし、「法律」はそのまま無傷で、今日に至っているのです(3度継続し、今は森林病害虫防除法で実施)。信じられませんが、こういう大問題が不問にされているのです。
3.参加者全員で合意した4項目決議
坂城町民には【健康問題と効果問題を両輪にした住民学習会】が緊急に必要です。空散健康被害者と里山を守る地区住民との「対立構図」を止揚する為にもですが、その様な戦略・戦術を地域に依拠して組立てる組織的力量が問われている昨今です。
驚くべきことが報告されていました。
私は民主主義の根幹を冒涜する行為だと感じました。
ここに,ご本人のご了解を頂きましたので転載致します。
下記メルマガにも書かせてもらいました。
http://archive.mag2.com/0000200505/index.html 安江高亮
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共通確認した農薬空中散布「効果写真」の不適切性
~長野県検討部会最終報告書の点検活動より~
信州上田塩田平住民
里山保全「ヤマンバの会」
事務局長 村山 隆
Ⅰ.里山の一本の老松枯死から誕生した「ヤマンバの会」
私たち「ヤマンバの会」(加藤千砂人会長)は、今から18年前に信州上田塩田平の下之郷東山の一角にある唐臼山山頂の一本の老松(愛称ヤマンバの木)枯死を看取る行事(「お別れ会」)を主催するために結成(1993・4・30)された環境市民団体です。従って会誕生と松枯れは不可分であり、里山の「松枯れ問題」は会の中心的関心事でした。
会は現在まで、里山の老松をめぐる様々な実践を行って来ましたが、ここでは『長野県有人ヘリ松くい虫防除検討部会・最終報告書』(平成23年11月)の「空中散布効果写真」に限定して、点検・考察した最近の実践を中心に報告します。
Ⅱ.現地フィールドワークで把握した「空散効果写真」の欺瞞性
最終報告書の空散効果の説明資料として2枚の『比較カラー写真』が掲載されています。それは「岩井堂山」の北側(千曲市・空散実施区)と、南側(坂城町・空散中止区)との比較写真です。空散実施区(千曲市)は「松枯れは殆ど確認できない」と、空散中止区(坂城町)は「広い範囲で松枯れが確認できる」とキャプション付けされていました。この比較カラー写真は、県民に説明したビジュアルな公的資料であり、見事に空散効果を証明していました。
私は写真上では確かにそうであろうが、今迄の検討部会の“前科・前歴”を知っていましたので「自分の目で実際に見ないことには信用できない!」と思いました。最終部会傍聴時(2011・11・25)に、千曲市「子ども達の明るい未来を守る会」事務局長の池田靖子さんにお尋ねしたら「山の裏表で樹種が違うので比較はおかしい?」と言うのです。早速、二人で岩井堂山の現地に赴き、苦労して「写真」と同じ場所を探し当てました。そして少し山中に分け入ったら、そこには“本質”が露呈していました。
1.師走の多忙の中、30名で「現地調査と検討会」開催
空中散布の賛否に関係なく、検討部会の県民向け説明資料が全てに亘って“正確”であることが極めて重要です。当然ですが、その上に立った論議が為されるべきです。
そこで私たち会は超多忙の師走でしたが、「子ども達の明るい未来を守る会」(茅原紘会長)と「子どもの未来と健康を守る会」(田口操会長)の2団体に呼びかけて『現地調査・検討会』を企画しました。何しろ降雪したら実施不可能ですので、少し無理を承知で計画しました。
地元紙の事前紹介後に数件の問い合わせがあり、関心の高さを感じました。私は「この企画は反対集会ではなくて、誰でもが自由に参加できる現地住民学習会です」と、位置付けを説明したら納得したようで数名が参加しました。
地元紙の事前紹介後に数件の問い合わせがあり、関心の高さを感じました。私は「この企画は反対集会ではなくて、誰でもが自由に参加できる現地住民学習会です」と、位置付けを説明したら納得したようで数名が参加しました。
当日(昨年12月11日)午後は快晴に恵まれ、暖かい陽気で非常に助かりました。参加者は30名。多様な市民(県議2名、市議2名、元防除職員、健康被害者、環境保護住民他)が参加されて、3地点を実際に自分の目で見て“本質”を把握しました。
★第1地点:岩井堂山南側(坂城町・空散中止区/松枯れ多数)写真の現場
空中散布を3年間実施していないので「松枯れ多数」との県説明は、その通りに見えました。ここで加藤会長の方から自身が調査した坂城町森林整備課の内容を語りました。それは「去年と一昨年ともに250㎥行っていた伐倒駆除を、今年に限って県の指示で実施しなかった!」との衝撃的内容でした。参加者一同は驚きました。伐採してないので、多数の枯死が目立つのは当然です。皆はすかさず「では千曲市側はどうなのか?」と思いました。
続けて加藤会長は「千曲市上山田庁舎農林課によると、今年も岩井堂山地区では4月18日から6月末までに566㎥の伐倒燻蒸処理を実施しました。そして空散は6月20日と21日に行いました!」と説明。「これでは写真での比較自体がまやかしではないか?」など、参加者の胸に大きな疑問が膨らみました。
続けて加藤会長は「千曲市上山田庁舎農林課によると、今年も岩井堂山地区では4月18日から6月末までに566㎥の伐倒燻蒸処理を実施しました。そして空散は6月20日と21日に行いました!」と説明。「これでは写真での比較自体がまやかしではないか?」など、参加者の胸に大きな疑問が膨らみました。
★第2地点:岩井堂山北側(千曲市空散区の庄内神社裏/新旧伐倒駆除多数)現場
次に岩井堂山の北側に並ぶ「横山」山中(庄内神社裏参道)に入りました。この参道は岩井堂山山頂まで続き、至る所にシートで覆われた伐倒燻蒸処理跡がありました。ガイド役の池田さんは「空散効果があったとする県写真の山中に、こんなに沢山の枯死松の伐採があるのです。新旧シートを見れば数年間に渡って伐倒したことが分かります!」と明快に述べました。皆は「これでは当然に千曲市側の写真が青々しているはずだ!」と思いました。これを空散効果だと説明しているのですから一同は驚いてしまいました。《百聞は一見にしかず》とはこの事、現場に立たねば絶対に解からない事実であり、報告書の読みだけでは決して判明しない事柄でした。
★第3地点:岩井堂山北側(千曲市・空散実施区/松枯れ無し)写真の現場
県写真と全く同じ場所に立って観察。真正面の青々とした山は、先ほど見学した山中でした。ここから広葉樹の落葉を透かして見ると、伐倒燻蒸処理のシートが何枚も見えました。県写真の撮影時(昨年6月26日)には見えなかった伐倒跡が、今日はハッキリと見えたから皮肉です。坂城町側で加藤会長の“説明”を受けていたので、皆は千曲市側の青々とした写真のトリックが理解できました。《事実は小説よりも奇なり》ですが、種明かしを知れば何のその。参加者は、現場で『比較写真の欺瞞性』を実感しました。
2.学習した「効果写真」の不適切性と空散をめぐる体質問題
現地調査の終了後、上山田文化会館に戻って4時半過ぎまで、熱心な「検討・学習会」が持たれました。今日の現地調査で参加者の“到達した認識”は次の通りでした。
それは、≪県検討部会が最終報告書で示した空散「効果比較写真」は不適切です。何故ならば、今年に坂城町(空散中止区)は県指示で伐倒駆除を行わず、一方の千曲市(空散実施区)は伐倒駆除を実施したからです。もしも、坂城町が例年通りに伐倒駆除を実施したならば報告書の様な写真には決してなりません。また、千曲市側が伐倒駆除を未実施でも同様です。尚、農薬空中散布効果については、この写真では判断できないので、“別個の検証”が必要です!≫というものでした。
私の方からは現地調査の到達点を踏まえて、次の様な問題提起『松枯れ農薬空中散布をめぐる伝統的体質~空散の防除効果面からの考察』を行ない、今回の検討部会の効果写真に“前科”があることを解説しました。県検討部会『中間報告』(平成23年3月)に対する私のパブリックコメント(2011・4・10)と、本会(加藤千砂人会長)が「こどもの未来と健康を考える会」(田口操会長)に呼びかけて共同提出した『公開質問状』(2011・6・24)の中で、問題状況=【県が挙げた空散効果資料:「茨城県鉾田市玉田浜」(伐倒駆除を実施した写真)と「長崎県総合農林試験場データ」(伐倒駆除を併用したのに隠蔽した恣意的引用)】=を指摘して、その2資料の撤回を求めました。そうしたら県側は回答不能に陥ったのか、理由を示さずに2資料を削除(第5回検討部会2011・7・8)しました。そして新たに差替えた写真が今回の岩井堂山でしたので、県検討部会は、又しても同質の過ちを繰り返したことになるのです。
では何故、優秀な県職員がこんな過誤を重ねたのでしょうか? それは全国を覆う空散問題の「伝統的体質」が深く関与していますから、県職員だけを責められない非常に根深い構造があるからなのです。その根源は35年前の「松くい虫防除特別措置法」(1977・4・18)に遡ります。制定5ケ月後(第81国会9・12)に根拠データの“捏造・改ざん・隠蔽”が発覚(9例中6例)して農林官僚が処分された事件がありました。しかし、「法律」はそのまま無傷で、今日に至っているのです(3度継続し、今は森林病害虫防除法で実施)。信じられませんが、こういう大問題が不問にされているのです。
3.参加者全員で合意した4項目決議
最後に、次の4つの確認事項を決議して閉会しました。この決議には空散に肯定的な方々の意見もありながらも、現地調査の結果、参加者全員で合意・賛同できました。
- 現地調査に基づき、坂城町・千曲市の空散「効果写真」は適切ではありません。
- 従って、最終決定資料から「効果写真」を撤回すると共に、効果を示す資料の再提出を求めます。
- 実施主体である「市町村」は、この結果を重く受け止めて判断して頂きたい。
- 空中散布を見直して、速やかに具体的な「代替防除方法」を検討・実施して下さい。
Ⅲ.差迫る課題―坂城町の推進地区住民との対立構図の克服を!
3年間中止した坂城町では空散再開への活発な動きが展開中です。上平地区では「住民総決起集会」(80名2011・11・27)が開かれ、坂城町長に「要望書」(11・28)を提出しました。総決起集会においては、件の如くに岩井堂山での『効果比較写真』が縦横に活用されて、空散再開の根拠付けにされました。上平地区住民は松枯れによる岩井堂山の崩落を心配しているようですが、私は《岩井堂山をめぐる“空散効果問題の本質”》が住民間で共有化されないもどかしさに、胸が掻きむしられる思いがします。
坂城町民には【健康問題と効果問題を両輪にした住民学習会】が緊急に必要です。空散健康被害者と里山を守る地区住民との「対立構図」を止揚する為にもですが、その様な戦略・戦術を地域に依拠して組立てる組織的力量が問われている昨今です。
(唐臼山の老松「切り株」と対話して脱稿/2012・1・8)
ヤマンバの会
会長家氏しげ子のんどり人生道場(What's newより)
村山隆さん(「長野のエース」より)
http://www.pref.nagano.jp/kikaku/kikaku/ace/murayama/murayama.htm
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