2013年2月25日月曜日

世界の住宅産業の取組み目標

 住宅生産性研究会(HICPM)のメルマガ第495号より抜粋しました。
 この中に解説されているタウンハウスを普及させるべきと考えています。

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 HICPMは、英国、米国、ドイツ、カナダの住宅産業をその後も調査研究する中で、いずれの国でも「国民にとって、住宅資産形成を確実にできること」が、国民にとってはもとより、国家の政治の安定の上でも重要であり、そのための施策が講じられてきたこと、を確認することができました。それは次の二つの内容です。


(1)    住宅を国民の家計支出の範囲で(年収の3倍以下)で住宅を供給する。
(2)    住宅地の経営管理によりセキュリテイを高め、生活を危険から脅かされなくする。

住宅購入者のアフォーダビリテイ(購入可能性)を拡大する住宅

 前者(1)は、住宅地経営としてダブルインカムを実現するとともに、住宅地で生活する人の能力が相互に尊重され活かされることで、相乗効果を発揮し、ローカルマネーの考え方と同様の考え方で、住宅地の中での貨幣の流通を高めることで生活を豊かにすることです。
 特に世界の工業先進国では共通して地価が住宅価格を高値硬直させていることが問題にされてきました。その解決策として地価自体を住宅の取引価格に反映させないリースホールドの方法と、地価を高密度開発によって、その影響を引き下がる方法とが実施されてきました。
 戸建て住宅でそれを実現する方法として、米国では「独立住宅地の環境を共同住宅の価格で実現する」タウンハウスは、高い耐震・耐火、遮音性能をもち、米国政府のモーゲージ(註1)に対しFHA(註2)の債務保証を受け、約半世紀の歴史を持っております。
 米国の住宅バブル経済崩壊後、そのタウンハウスの米国住宅市場での支持は再認識されています。


 さらに、一番家計支出に左右されやすい「食」を住宅地経営に取り入れ、居住者の生活の安定を図ることです。この考え方は国際的にはアグリカルチュラルアーバニズム(農業を活かした”まちづくり”)として、2002年からオランダから世界に広がっています。

住宅のセキュリティの増進とニューアーバニズム

 後者(2)は、直接的には住宅地ごとに「ハードなルール」(マスタープランとアーキテクチュラルガイドライン)と「ソフトなルール」(民亊契約を基本とした生活ルール)とを決め、それを住宅地経営管理協会(HOA)の下で一元的に管理することで実現するもの(三種の神器という)で、1980年台米国でTND(註3)として始められました。

 今では米国の住宅政策に取り入れられ「ニューアーバニズム」の考え方及び技法として確立しています。

註1:モーゲージ:モーゲージローンのこと:モーゲージ・ローン不動産担保にした融資のことで、単にモーゲージともいいます。モーゲージとはローンの支払いを保証するために不動産に対して抵当権を設定することを取り決めた文書のことです。

不動産担保融資は日本でも広く行われていますが、モーゲージ・ローンといえば、米国の住宅ローンを指すのが一般的です。米国のモーゲージ・ローンにおける住宅ローンの比重は大きく、残高でみて80%近くを占めています。
モーゲージローンは,ノンリコースローンです。住宅と土地に担保設定されるだけで,保証人も生命保険への加入も要求されません。支払不能になった時は担保を金融機関に明け渡せば良いのです。

註2:FHA:Federal Housing Administration(アメリカ合衆国の政府機関連邦住宅局)の略称。

註3:TODのベースとなっている都市の単位は、人びとの日常生活圏としての自治団体としてのコミュニティでなければならない。TODは,そのコミュニティを経済成長を推進する都市から、人々の豊かな生活を享受する都市へ転換するために、1980年代から日本以外の経済先進国で取り組まれた。
米国では、TND(トラデイショナル・ネイバーフッド・デベロップメント)、又は、ニュー・アーバニズムと呼ばれている。英国ではアーバン・ビレッジとも呼ばれているヒューマン・スケールの空間を人間の絆で繋ぐ生活を実現しようとする町づくりである。


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