2012年3月16日金曜日

Ⅳ 7.風評被害の原因 8.「汚染」は利用できる 9.菅首相の意義

7.風評被害の原因

 これは、行政の犯罪的に無知な対策によるものである。広島・長崎の原爆炸裂のあった「昭和20年にセシウムで死んだ人は一人もいない」と、核被曝の研究の第一人者の高田純博士は断言している。
 高田博士によれば、大地震が到達する前に福島第一原発では核分裂連鎖反応が自動停止したので原子炉の暴走はなく、したがって急性放射線障害になった職員はなく、当然、その原因で亡くなった職員もいなかった。暴走したのは原子炉ではなく、政治暴走した菅直人首相だったのだ。

 彼は官僚機構を使いこなせなかったから、日本の放射線防護力、緊急被曝医療体制を使いこなせなかった。それどころか、素人判断で国内外の風評被害の原因となる話題をまき散らして、福島県民を苦しめ、国民の不安を煽ったのである。
 日本は原爆の被害国ということもあって放射線防護学のレベルが高いのに、菅政権はそれに頼らずICRP2007年勧告を用いているのである。「国際的」といっても、低線量放射線の人体への影響についての科学的な根拠はないことをわれわれは知らなければならない。では、どういうふうにICRPはつくられているのか。

LNTという"ドグマ"
 広島・長崎の原爆被爆者の調査によると、被爆後のガン発生率は、500ミリシーベルト以上の被曝をした場合は、その被曝量に比例してガンの発生率が増加することが分かっている。しかし、200ミリシーベルト以下ではガンの発生率の増加は認められないどころか、むしろ一般の人より発生率が下っているのだ。それは、前に述べた「量の変化は質の変化になる」ということの顕著な例である。

 しかしICRPは、500ミリシーベルト以上の被曝量の場合の増加線を、それ以下の被曝量の場合にそのまま延長線を引いて「低線量の被曝でもガンは増加する」としたのである。この仮説ー実験を伴っていないので非科学的独断とかドグマと言うべきだ一をLNT(Liniar No Threshold)という。
 リニアーとは「直線的」ということで、500ミリシーベルト以上に認められたガン発生率の線をまっすぐに低線量のところまで引いているということで、スレショルド(閾値:イキチ)を認めない(No)ということである。

 放射線はある数値以上はガンを発生させるが、ある数値以下ではガンを減少させる。では、その逆転する数値はどこらあたりか、というのが閾値である。おそらく、500ミリシーベルトと200ミリシーベルトの問にあるらしい。その閾値以下の被曝の場合はDNA修復酵素が活性化するため、ガンの発生率は下がるという、大量被曝の場合とは反対の現象が見られるのである。
 このLNTは、DNA修復酵素の欠如しているショウジョウバエには適用されるのだが、人間には絶対に適用してはいけない非科学的なドグマなのである。

 わかり易い譬えを挙げてみょう。ある果物をハウスで育てたとする。その果物はハウスの温度が30度以上だと枯れはじめ、60度、70度にするとどんどん枯れる。その温度の高さと枯れる度合いをグラフの線にして、今度は下げたらどうなるか、ということを実験もせずに線を下に延ばしたらバカだといわれるだろう。その果物は二五度ぐらいならよく育ち、おいしい味になるということもあるからだ。

 そして、温度がゼロになったらその果物は生育しない。この温度というところに放射線という単語を入れてみれば、閾値の意味もわかるし、放射線をゼロにすると大麦が成育しないのも同じことだとわかるだろう。量と質の関係は、実験データに基づき、閾値を発見して見極めなければならないのだ。

 フランス・アカデミーのモーリス・チュビアーナ博士という放射線ガンの世界的権威がEUの科学者とともに研究してきて、2001年のダブリンで開かれた国際学会で、毎時10ミリシーベルト以下なら、どんなに細胞に傷がついても完全に修復させてしまうと発表した。いわゆる「ダブリン宣言」と言われているものだが、彼に対しては2007年にマリー・キューリー賞が与えられている。

 ところが、日本政府の方針では年間20ミリシーベルトとか、年間10ミリシーベルト以下のところの土壌まで上層部をはがすなどということをやっている。
 行政がICRPに従うのは、この委員会の頭に「国際」という字が付いているからだろう。そこの数値が何らかの科学的根拠のないLNTドグマでも、「国際」の名のついたところの数値を使っておれば、行政は「責任逃れ」ができるからであろう。そのためにどれだけ福島県民が迷惑し、また天文学的な費用を全く無駄なことに掛けることに平然としているのだ。

8.「汚染」は利用できる

 「いま福島で起こっている問題は被曝自体ではなく、被曝への恐怖である」これは『放射能と理性』の著者であるウェード・アリソン・オックスフード大学名誉教授が講演で述べた言葉である。アリソン博士はICRPの被曝に対する勧告は根拠がないから改めるべきだとし、福島第一原発周辺で住民を強制的に避難させて不自由な生活を強要したり、土壌をはいで除染することも愚の骨頂だと断言している。
 考えてみれば、広島や長崎では原子爆弾が実際に炸裂したのであり、土壌が受けた放射線の量も、福島とは比較に絶して巨大であった。広島や長崎で除染はやったか。もちろん、やらなかった。その後の住民の健康調査では、他の日本人の平均よりも、良好な数字が出されている。そして広島も長崎も、前よりもずっと発展した都市になっていることは誰でも知っている。この誰でも知っていることをなぜ福島では無視し、理由のない被害を福島の人たちは受けなければならないのか。理由は簡単,政府が悪かったからである。

9.菅首相の意義

 なぜ当時の首相・菅直人は突然、浜岡原発を停止せしめ、日本が脱原発に向かうような発言をしたのか。
 それは元来、彼は日本という国を愛さぬ、国境抜きの市民運動家だったからであろう。彼は元来、反原発をやってきている人とつながっていたようだ。彼も政府に入ってみれば、日本の電力の三割以上も担っている原発を無視するわけにもいかず、さらにそれが当代流行の二酸化炭素削減にもなるというので、「将来は原発への依存度を50パーセントぐらいにしたい」などと言っていたのだと思う。

 ところが、福島の原発事故で周章狼狽したところに、昔ながらの反原発論者に東海大地震の可能性を告げられるや、一挙に本家還りしてしまって、浜岡原発の停止を言い出し、さらに脱原発まで口にしたものと思う。彼は福島の原発事故の本質も知らず、日本の進んでいる放射線防護学の成果を利用することもできなかったのである。
 菅氏はそもそも、東海地震予測なるものの実態を知っていたのか。あの話のそもそものはじまりは、当時、東大地震研の助手だった石橋克彦氏が昭和51(1976)年に予言したものである。それから30数年経つが、彼の予言した東海地方の大地震は起こらず、彼の予知にはなかった阪神・淡路大震災が起こり、今回は東日本大震災が起こっているのだから、彼は全く当たらない予言者なのである。

 この日本列島について地震予言をすれば、誰の予言だっていつかは当たるだろう。地震学者の予知は、素人の心配といまのところ本質的に差はないのである。だから、「東海地震がすぐ来るかもしれない」などと言わたれて(菅総理にそう焚きつけたのは福島瑞穂氏だという説がある)、慌てて浜岡原発を止める必要など少しもなかったのだ。
 福島の東電第一原発でも、地震ではなく津波が原因とされているのだから、津波への対策強化と、さらなる原発の安全強化の指示で十分だったのである。菅氏は脱原発を口にすることが、日本にいかに巨大な害をなすか考えたことがあるのだろうか。これからは脱原発だ」ということが国策になれば、先ず核の研究をしようとする学者はがっくりし、この方面に進もうとする青年もいなくなるであろう。物理学の最も重要な分野に研究者が後続しなくなったら、日本の将来はどうなるか。

 それより前に、世界で最も進んでいるとされる日本の原発の学者・技術者は、底引網を仕掛けられたように韓国や中国に持っていかれる可能性が高いのである。菅氏はコリアの団体に特別の関係を持っていて、日本人よりコリア人のほうが大切だという印象さえ与えている人である。その人がすぐに原発停止・脱原発の方向に飛びついたのは、少なくとも彼の潜在意識のなかで、それがコリア人のためになるというひらめきがあったのではないか。
 
韓国を利することに
 果然、その後の新聞報道によれば、韓国の原子力安全委員会は、福島の事故のあった去年のうちに日本海側の慶尚北道に原子力発電所二基の建設を決め、また南部と東南部に建設された二基の試運転をはじめさせた。韓国では現在二十一基の原発が稼働中である。韓国政府は、これから原発八十基を輸出するのを国家目標としているのだ。
 一基の建設は数千億円の話だ。それを八十基も輸出しようという韓国政府の意気込みはすごいではないか。

 この韓国の国家的大目標にとって一番邪魔になるのは何か。それは日本の原発である。日本の原発技術が世界で最も進んでいることは、世界中が知っているのだ。
 福島での事故も地震のせいでなかったことは世界中の専門家が知っている。大地震のS波が到達する前の小さな波動をとらえて原子炉の核分裂連鎖反応を自動的に停止させるというのは、地震国・日本の独自の技術である。だから、福島第一原発でも原子炉の暴走はなかった。震源地にもっと近かった女川でも暴走はなかった。かつての中越地震でもなかった。
 今回の福島の事故も、原子炉の安全性では世界の評価を高めているのだ。津波は「想定外」とされたが、それを防ぐ手段は難しいものではないことも明らかになった(女川の原発がすでに証明している)。具体的な例をあげれば、福島第一原発事故があってから間もない去年のうちに、アメリカは実に34年ぶりに原発を着工することにし、東芝の子会社製のものがつかわれる。

 一九七九年のスリーマイル・アイランド原発事故以降、原発の新規着工は凍結されていたのである。それが今回、再開されるようになったのは、日本の技術と機械を使えば、マグニチュード9.0の大地震にも大丈夫だという信頼感が生じたからだと考えてよいだろう。
 日立製作所も同じ頃に、リトアニア政府と仮合意を締結した。三菱重工業はベトナムに二基発注が内定しており、ヨルダンでもその話がすすめられている。今年になって、トルコを訪ねた玄葉外相には、原発の話が出された。彼が十分明確な答えをしないうちに、韓国の大統領が直接乗り出して、トルコヘの原発輸出の話をすすめている。

 原子力発電の世界では、日本の東芝・日立・三菱という三社か、その協力を得なければ新しいものはできないということになっていたのだ。
 原発80基輸出を国家目標に掲げている韓国としては、その原発大国.日本の足を引っ張り、邪魔しなければならない。韓国にとって幸いなことには、福島の事故の時は日本の政党は民主党、首相は菅直人。原発反対の下地のある連中が政権の中枢にいた。これに働きかければよい。こうして働きかけたら即効があった、と私は見る。

売国奴のデマゴーグ
 朝日新聞はじめ、テレビ局などそもそも反日親韓の傾向の見えるマスコミは、一斉に反原発運動に競い立った。大江健三郎氏も気負い立った。大江氏は、「北朝鮮の青年の目は澄んでいた、日本の自衛隊に入る青年のいることを恥じる」というような趣旨の反日侮日、親朝親韓の言論活動をしてきた人である。「いまこそ日本の原発を壊せ」と声を高めてアジり、デモをやらせた。

 ミステリー小説の犯罪を解く鍵に、「それで誰が得をするかを見よ」というのがあるそうだ。日本の反原発運動を誰が一番喜ぶか。韓国政府であり、韓国人であろう。だから、いまの日本で反原発運動をやっている人たちには韓国の手が回っているか、そういう手が回っている人の手が回っているか、あるいは放射線に関する科学的情報を知らされないまま売国奴みたいなデマゴーグに煽られている心配性の善男善女か、あるいは、ともかくマスコミに叩かれたくないという行政関係者か、のいずれかと考えてよいであろう。

 元首相の菅氏、現政権の野田氏、元外相の前原氏などなど、韓国系・北朝鮮系との金の授受があった人たちが民主党には多い。それもそうだと思われるのは、民主党が大勝したこの前の選挙にはコリアの団体が積極的に参加したし、党内の選挙にも参加していた。この原発問題では、これを利用して日本に原発を断念するような政策を行い、その運動を助けるような趣旨の金が動いたと考えることが許されるのではないか。
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